大阪・堺のふとん太鼓ってどんなお祭り?

毎年9月中旬から10月中旬に堺市内の各地で行われます。

開口神社【アグチジンジャ】の八朔祭、
菅原神社【スガワラジンジャ】の八朔祭、
方違神社【ホウチガイジンジャ】秋季例大祭、
船待神社【フナマチジンジャ】秋季例大祭、
百舌鳥八幡宮【モズハチマングウ】月見祭、
石津神社【イシヅジンジャ】秋祭り、
石津太神社【イワツタジンジャ】秋祭り、
華表神社【カヒョウジンジャ】秋祭り…

続々とふとん太鼓が奉納されます。

 

ふとん太鼓は泉州堺から瀬戸内海沿岸地方に伝えられ,各地で独自の祭礼文化として伝承されています。
堺のふとん太鼓が日本各地の祭に少なからず影響している。
そう思うと堺市民として何だか誇らしく思います。

余談ですが、神様へ奉納する神輿になぜ『ふとん』なのか…。
私はそこがピンと来なくて調べてみました(笑)。

ふとん太鼓が始まった江戸中期、綿入り布団が庶民にとってはとても貴重品でした。
神様が神輿で巡幸(各地を回る)する道中、お旅所(巡幸の途中で泊まる所)で休まれる時に,
氏子が寝具として布団を運んで使っていただいたのが由来だと言われています。

 

一度は見て欲しい!堺・百舌鳥八幡宮 月見祭

 

泉州・堺のふとん太鼓。その中でも特に有名なのが、百舌鳥八幡宮の月見祭です。
毎年、旧暦の8月15日『中秋の名月』に一番近い週末に行われます。

稲の収穫期を迎え、豊作を願い祈るためのお祭、満月を愛でる風習など、
色々な要因が合わさって今日の形になったようです。

 

実際に見に行くと…

青空の下、担ぎ出されるその姿は雄々しく、

 

空気が澄み渡った月夜に見るふとん太鼓は荘厳で、
大人になって初めて『祭の美しさ』を実感しました。

 

現在は境内にライトや提灯が数多く吊るされ、
参道には屋台が並び賑わっています。

町中がライトに照らしだされるよりも前の時代、
お月様が明るく輝き、その光を受けて揺れるふとん太鼓は、
どんなに神秘的だった事でしょう…。

 

そして祭と言えば、華やかな衣装と参加する人の真剣な表情と笑顔。
どこを切り取っても素敵な写真になります。

百舌鳥のふとん太鼓でも、各町ごとお揃いのハッピに身を包み、
首の後ろにコブが出来るほどの重さを担いで練り歩く。
その姿にただただ感動です。

 

時代と共に衣裳も変化し、数年前までは股割れ股引(古くからある後ろが開くタイプ)が定番でしたが、近年ズボン型股引が登場した事で主流がかわりつつあるようです。
地下足袋も12枚コハゼから6枚コハゼに替えている方が少しずつ増えてきています。

お祭用品を販売するという仕事柄、ついつい祭衣裳チェックしてしまいます(笑)

お祭衣裳はなぜこんなに着る人をかっこよく見せてしまうのでしょうか。
統一感のあるスタイルは日本人の心を鷲掴みです。

 

「アイチのねえちゃん、うちの祭も見に来てや!」

というお客様の声につられて、来年は他の地域のふとん太鼓も見に行こうと思います!